Report: ひょうたん会議 vol.09 縁をつむぐ
ひょうたん会議第9弾はこれまでのセッションの枠を超えて、千葉県館山市での合宿ひょうたん会議でした。
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かとより
今回は実験的な試みも込めて、メンターの現在のお住まいである館山にお邪魔しました。
合宿ひょうたん会議、でした。
そのメンターは現在奥様と、ふたりの子どもと一緒に館山で暮らされていて、
会社経営のあと、現在は農業に従事されています。
今回のひょうたん会議のテーマは「縁をつむぐ」。
そんなテーマに沿ってメンターのユニークな経歴の話を伺いました。
夜通し行われたひょうたん会議で話された内容は多岐に渡りました。そのなかでもメンターが教えてくれたハイライトが以下です。
①子どもは「みんなで育てる」シェア子育て、という考え方
メンターの家には毎週末のように今回のわたしたちのようにゲストが訪れます。
農作業のお手伝いをしたあとは地場の魚や採れたての野菜をいただきながら食卓を囲みます。
家には2歳の男の子と乳児がいるのですが彼らは沢山の見知らぬ?人に囲まれています。
「大人にだけ囲まれてももちろんダメだけどね」としたうえでメンターは田舎で暮らす若い夫婦が沢山の人に囲まれながら子育てをする、ということを教えてくれました。
これはシェア子育てと呼んでもいいかもしれません。
子どもの面倒を来客がみる。おむつを替えたり抱っこをしたり。お風呂に入れたり髪を乾かしたり。
普段の生活では子どもに触れる瞬間がなかなかない。都会暮らしでは味わえない、子育てを体験させてもらうという点で来客にとっても人生において重要でかつ普段物理的制約によって接点がないことを体験できる。
親からすれば人に任せていたとしても我が子が気になるのは当然。物理的な子育ての大変さは変わらないけれど、体験という価値を提供できているんだ、という実感が精神的やすらぎを与えることもあるようです。
②要は何言ってんの?「具体と抽象の概念」
セッションの中で、こんなシーンがありました。
A「子どもをほしいと思う気持ちって人類として共通の思いだから~」
B「うんうん、わかるわかる」
C「それは社会としても~」
D「待って、何それ、人類共通?社会?それって本当?」
こんな具合です。
普段のコミュニケーションでもついつい前提を疑わずに議論を進めてしまうことがあると思います。もしくは使っている語彙のそれぞれの定義を確認せずに進めてしまうことです。
これはファシリテーターが注意しなければならないところで、あめがそこに気づいて指摘してくれました。
・・周りが見えなくなっては、いけませんね。
③本が嫌い はいいのか?
あめがこんなことを口にしました。
「本を読むのが嫌い」
「本を読んで理解した人の話を聞きたい」
「ネットでも十分それに該当する情報が集まる」
と。
果たして「本」を読むことは是か非か。
メンターの指摘によると、「互いがより生産性の高い話をしようと思ったら、同じ知識をもっていなければいけないと思う。実際にさっきの前提の確認だって、同じ本を読んで共通認識があれば確認なんかしなくたって議論はできるし、無駄がない」と。
ひとつの価値基準として「本」というものを捉えたときに、ネットや人づての情報ではその解釈や意味合いにそれぞれに理解度以外の変数が差となってしまう。
だからこそある共通の知識や前提をそろえるために本は役に立つ、のだといいます。
番外「えっ?」「なんでぇ?」
メンターのおうちには2歳になる男の子がいます。
彼の口癖は、
「えっ?」(聞きなおし)
「なんでぇ?」(深堀り)
です。
聞きなおすことによって、聞かれた側は同じ説明をするかもしくはより理解しやすい言葉を選びなおして伝えます。
これによって、より互いの認識を共通化できるし、言語化しにくいことに一石を投じるアプローチになります。
なぜなぜの深堀りは考えることを止めさせません。
「あー、お腹すいたからパスタたくさん食べちゃおうかな」
「なんでぇ?」
「えっ、農作業したからだよ」
「なんでぇ?」
「お父さんのお手伝いをしなきゃいけなかったからだよ」
「なんでぇ?」
「えっ、なぜしなきゃいけなかったのか・・(手伝いはしなくてもいいのか?それとも自分に農作業にかかわる理由があるのか、ううむ)」
こんな具合です。
子どもだからこそのなせる業、なのでしょうか?
いいえきっと違うはずですよね。
子どもからでも学ぶことはたくさんありますね。
これまでとはちょっと趣の違うセッションになりましたが、まじめな話をちょっと楽しめたのではないかと思います。
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そして合宿2日目は畑へ出かけていって農作業!
皆で汗を流して働きました。
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「楽しもう、ちょっとマジメな話」
重要度は高いけれど、緊急度が低くてつい後回しにしてしまう、誰もが抱える問題。
ひとりの教え手がいて進行する学びのスタイルではなく、教えを受けたい(課題を抱えた)参加者による双方向な学習機会を提供します。
その間を取り持つのが我々ファシリテーター。論理的な思考を目指しながら進行と質問を通じてメンターそしてプロテジェの両者の間に立ち、「情報収集・整理/ 堀り下げ/ 原点回帰」をしながら進めていきます。
メンターに対して、過去の経験や判断の基準となる価値観を聞き出したり、自分たち自身の価値観を引き合いに出しながらより多面的な学びの時間を目指します。
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