ひょうたん会議

「楽しもう、ちょっとマジメな話。」をモットーに、“重要だけど緊急じゃないこと”をテーマにした飲み会スタイルの少人数制ゆるゆるセッション。

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Report: 連続ひょうたん会議 vol.14-16 グローバルマインドセットを考える

はじめての方へ→ ひょうたん会議とは?

ひょうたん会議vol.14-16も前回に引き続き「連続ひょうたん会議」と名前をつけてひとつのテーマの元に3人のメンターを迎えて少人数のセッションを行いました。

 

 

 

場所はこちらでした

Vol.14 「銀座 鶏屋 東方見聞録」:半個室でコスパがよく4~6人向け

http://www.hotpepper.jp/strJ000006014/map/?vos=nhppalsa000013

vol.15 「上野 香港料理 萬華」:飲み食べ放題で圧倒的にお得な隠れた秀逸店

http://r.gnavi.co.jp/9n1rr8x30000/map/

vol.16 「三田 憩 ‐ikoi‐」:半個室でとても静か 

http://r.gnavi.co.jp/hs0a6vm00000/map/

 

 

今回のテーマは「グローバルマインドセットを考える」です。

グローバル、マインドセットというと一般的には世界、海外というイメージに直結しやすいと思います。

 

実際に、ハーバードビジネスレビューで取り上げられていたサンダーバード国際経営大学院 名誉教授 マンスール・ジャビダン氏らによると、①知的資本、②心理的資本、③社会的資本の3つがグローバルマインドセットを構成し、すべての資本に秀でた人材がグローバル環境でも成果を上げることができる、といいます。

 

その研究の問題意識は、

「いかなる環境化においても成果を出し続けることができる人材とそうでない人材には、メンタリティとしてどのような違いが存在するのか」

 

というものです。

 

そして、それらは生まれ育った環境などの先天的なものではなく、自身の心構えや行動による後天的な要因によって向上することが可能である、という視点に立っていて、まさに経営学者らしいポイントだなぁ、と感じさせるわけです。

http://diamond.jp/common/images/v1/dhbr/dhbr/003_sekai.pdf

 

この、

「いかなる環境化においても成果を出し続けることができる人材とそうでない人材には、メンタリティとしてどのような違いが存在するのか」

という問いは、果たしてグローバル環境下に限定された話でしょうか?

 

いいえ、そうは思いません。

 

海外、国籍、宗教、人種という目に見えて分かりやすい違いに触れた体験が、確かに自身との違いの気づきになってくれることはあると思います。
けれど、たとえ同じ日本人同士であっても、同じ性別だって同世代だって、同じ地元で同じ学校に通っていたとしても、それぞれが持つ価値観や考え方は千差万別で多様であるはずです。

 

その多様性に気がつく、受け入れる、ということはこの研究で言うグローバルマインドセットを考えるヒントになるのではないでしょうか。

 

そんな思いで企画を実現させました。

 

今回メンターに呼んだ3名は、それぞれ海外での体験を有しています。

ひとりはインドで総合重機メーカーの駐在員として働き、

ひとりはフィリピンで国際貢献ボランティアとして汗を流し、

ひとりはドイツで国際平和村スタッフとして従事し、

それぞれ、まったく異なる経験を持つ人たちです。

 

今回のメンターに共通しているのは「海外で実際に現地の人々と共有した目的のために、協働した体験を持つ」ということ。

 

世界各国を旅して様々な風景や文化・風習を知っている人の話もきっと面白い。
けれどそれはなんだか写真展を見ているよう。

実際に現地で人と触れ合い、そして共有した目的に向かって一緒に汗を流す、そんな体験にはきっと様々な困難や驚きがあるはず・・。

 

海外経験がありながら、現地の人と一緒に何かに取り組んだ、そして結果を出そうと汗を流した・・そこにはどんな体験や考えがあったのだろう―。

 

こうして3回の連続ひょうたん会議は開催されました。

 

早速以下、各回の振り返りです。

 

ひょうたん会議vol.14 「駐在先のインドの現場から」

▼メンタープロフィール
白石  翼(しらいし つばさ)
友に恵まれ、刺激に満ち溢れた埼玉県立浦和高校を2005年に卒業、同年春に東京外国語大学・ベトナム語学科に入学。ベトナム語は一切上達しなかったが、やはり友に恵まれ刺激溢れる学生生活を送る。外大生の大半とは異なり、一切の留学をせずに2009年に株式会社IHIに入社、プラント海外営業に配属される。インド・中国・アメリカと3年間毎年異なる担当地域を経験した後に、再びインド担当へ。担当プロジェクトの受注に伴い、Administration Manager(要するに何でも屋)としてインドのど田舎に2年間赴任。4月に帰任し、海外営業としてインドの各プロジェクトをサポートしつつ、新規案件受注を目指す日々。

趣味は買い物、サッカー観戦(戦術ウンチク)、青葉のつけ麺と雪印のコーヒー牛乳をこよなく愛しつつ、全くお酒が飲めない29歳。 

  

 

 

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ある種自分にこんな差別的感情があったなんてそのとき初めて気がついたよね。

 

 

そんな風に口火を切ってくれました。

 

そのときは、えっ!そうなの!?という反応しかできなかったけれど、話を聞くにつけ、なるほどそれは確かに誤解を恐れずにメンターなりに表現された言葉なんだ、と気づかされることになりました。

 

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サッカーやってたのもあって、チームで海外を舞台に仕事がしたかったんだ。 

 

幼少期からサッカーに打ち込み、チームワークに熱中していたメンター。外国語大学出身ということもあり、海外で仕事をすることが目標であったといいます。

  

インド駐在中は、プラント建設のため現地スタッフをまとめて指示を与えながら納期どおりに仕事を完了することに従事していたそうです。その体験では、プライベートではベッドがまるまる盗まれそうになったり(!)、買った缶ジュースが既に飲まれた状態だったり(!)と日本では考えられないような光景を様々目の当たりにしたといいます。

仕事でもインド人の仕事のスタイルはこれまで体験したことないようなありようだったらしく、納期に対する考え方の違いや責任感に関する感じ方が理解できなかったというのです。

 

たとえば、納期であったとしても約束を守られないことが多い。理由を聞けば自分のせいではないと言う。そして自己主張がとにかく強く、対話なくしては物事が前に進まない。

ときには声を荒げ、こちらの本気具合を伝えなければならなかったこともあったと言います。

 

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既存のフレームを外せるひとこそ、グローバルマインドセットをもった人なんだと思う。

 

これまで出会ったことのない、体験したことのないような事実が目の前にある。そんなとき、目的を共有しているからこそ、彼らと共にやり遂げなければならない、逃げられない。

そんな体験を通じて自身の固定観念を壊していった、壊さなければいけなかった。

漠然とチームで海外を舞台に働きたいと願ったかつての思いが、強烈な困難と共に現実となった瞬間でした。

 

そんな話が進む中、ひとりの参加者がこんな質問をします。

「教育された差別」ってあると思わない?

教育された差別、それは教育を受けていると、「差別」はいけないことだと教わるし、差別しないようになる。けれどメンターが敢えて使った、差別、という言葉に人並みならぬ思いが伝わったようでした。

 

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うん、差別的感情がある、と言ったのは実は自分に対する敗北宣言の証でもあるんだ。自分にはそんな感情なんてないと思っていたし、これでも2年間に渡って現地で汗を流してきた。それでも「割り切り」に似た感覚を持たなければいけなかったんだ。

 

更に他の参加者が続きます。

プロジェクトで目の前のことがうまくいかないとき、ポジティブな解釈で「どうやって実現してやろうか」と考えることがあると思うんだけど、ネガティヴな解釈や体験ってあったのかな?そんなときどんなことを考えた?

 

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もちろん究極的には仕事だから割り切る部分は多かったけど、やっぱり海外で働くことへの憧れがあったし、時間の経過と共に、目の前にいる、「その人」の人間性や個性が見えてきたことが大きかったな。

 

最後、グローバルマインドセットとは?という問いに対して、それぞれからこんな答えが出てきました。

・月並みだけれど、多様性を受け入れる、ということ

・フェアな環境下で相手を尊重しながら働くこと

・現場で培った、自分自身の体験があること

・究極的な自己認識ではないか。他者と接するから自分自身がよりわかる。そのきっかけとして海外の体験が大きなものだったのではないか。

 

 こうして第一夜は幕となりました。

 

現地で実際に汗を流したからこそ突きつけられた、違い。そしてそれが自身の固定観念を打ち破ってくれる。そうしてグローバルマインドセットは徐々に身についていくのだと。そんなことを語り合った夜でした。

  

 

ひょうたん会議vol.15 「ボランティア先のフィリピンの現場から」

▼メンタープロフィール

雨宮  広樹(あめみや  ひろき)

1986年生まれ。埼玉県立浦和高校。早稲田大学社会科学部卒。
大学では“自称”日本一の資格取得サークル「資格ゲッターズ」に所属、後に幹事長を務める。
またウルルン滞在記に憧れ、大学2年の夏休みに学生団体「FIWC」のフィリピンワークキャンプに参加。レイテ島の村人たちと共に水道建設を行う。この初海外のフィリピンで笑いあり涙ありお酒ありのかなり濃密な1ヶ月間を過ごしたことで、すっかりワークキャンプの虜に。以降、卒業後も含めてこれまでレイテ島には計8回、のべ100人近くの学生と共に現地へ渡航した。
50人規模のサークル「資格ゲッターズ」で幹事長を経験して得られた少しの自信とたくさんの反省を糧に、「FIWC」の組織改革を決意。(当時そんな肩書はなかった)“代表”を名乗り、海外での活動だけでなく団体としての体制作りにも注力する。後継者がおらず危うく活動が途切れてしまうところだった状態から、1年間務めた代表を継いで8年経った今でも活動が続いている基盤を作ることができた。そんな経験からチームマネジメント、プロジェクトマネジメント、事業構築に強く関心を持っている。
卒業後は印刷会社にて法人営業として3年間、広告代理店や出版社を担当する。転職するタイミングで数ヶ月間、レイテ島にて台風被害の復興支援を行う。現在は空き倉庫とテナントのマッチングを手掛ける不動産会社に勤めながら、「ひょうたん会議」をはじめパラレルに面白いことを模索中。趣味はバンド活動とベルギービール。

 

そうです、この会は主宰のあめがメンターでした。

 

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ウルルン滞在記に憧れてたんだよね

 

そんな言葉で会はスタートしました。

実は海外経験は、このボランティアで訪れたフィリピンのみなのだと言います。

しかしそのフィリピン レイテ島に8回も足を運んでいるのだそう。初めての海外もこのフィリピンで、初渡航から約10年、それ以外の国には足を踏み入れたことがありません。

 

なんでそんなにひとつの場所に思い入れがあるの?

 

そんな素朴な疑問が飛びました。

 

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「受け入れられた体験」がすべてなんだ

 

あめが所属していたFIWCという国際協力団体は、アジア地域を中心にワークキャンプ活動を続ける60年近くの歴史ある団体です。その活動を日本中の学生が自分たちの自治のもと活動しています。

FIWC プロフィール

 

あめはこの団体のワークキャンプで初めてフィリピンの地に足を踏み入れます。

初めての海外、初めてのフィリピン。

実際の支援では山奥に道路を建設したり、水場となるタンクを作ったりと、現地の人々と一緒に汗を流しながらインフラ整備をしていくのだそう。

単に支援物資を送るのではなく、彼ら支援団が離れたあとも知恵として残るものも一緒に提供していく。

一方的に彼らに支援をぶつけるのではなく、共に価値を生み出す。

そのためには本渡航前の下調べから現地の人々との打ち合わせなど、学生自身の手で入念に行います。

 

ボランティア、をしているけれど実は自分たちが受け入れられているのだと感じる瞬間があったことが琴線に触れているのだと言います。

村に住み込んでいる間はやはり支援者とは言え、自分たちは現地からしたら客人。レイテ島でお世話になったフィリピン人の、寛容で、おもてなし精神に溢れた対応には、支援する側として現場入りしていた参加者の胸を打つ体験だったようです。

生活を共にし、現場での仕事に打ち込み、フィリピーノタイムなのさ♪と軽くあしらわれてプロジェクトが思うように進まなかったり。

良いことも悪いことも含め、現地で、現地に入り込んで、現地の人と、人間同士の付き合いをする、そんな中にグローバルマインドセットに共通する根っこの部分を感じました。

 

そんな体験をしたメンターはこうも言います。

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これはフィリピン人に限ったことではないんだけど、人が発してる言葉は基本的に信じないんだ。

これは、文化や生活習慣、更には私たち日本人には馴染みの薄い宗教、といった事柄がまるでブラックボックスであるかのようで、口で言っていることより実際を、人から聞いた言葉よりも自分の体験を重んじていることの現れです。

自身を現場主義と言うメンターらしい一言です。同じレイテ島という現場で会ったとしても、毎年状況は異なるし、ニーズも違う。現地入りして初めて具体的な支援内容や計画が立てられる。

 

さらに、こんな言葉を引用して話します。

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楽天の三木谷さんの言葉で、成功する3つの要素があって、それは「ナレッジ、スキル、マインド」。ここに優先順位をつけるとしたら、今はスキルを磨きたいと思ってる。フィリピンに思いを馳せて専心したときのように、何か他に思いを向ける先ができたときの準備としてスキルが必要だと思うんだ。

 

グローバルマインドセットは、異なる価値観を持った他者と一緒になり、自分自身が「受け入れられた」と感じる環境に身を置くことがすべての始まりではないか、という指摘。そしてマインドセットと並べてスキルとナレッジを考えることによってより具体的にかつ優先度を持ってとらえることが可能になるのでは、というグローバルマインドセットをどのように捉えていくべきかについて触れた夜。

 

こうして第二夜は幕となりました、 

 

ひょうたん会議vol.16 「ドイツ国際平和村の現場から」

▼メンタープロフィール

前田 春香(まえだ はるか)
1991年生まれ。伊豆七島の小さな離島(新島)で18まで育つ。高校二年生でタイの山岳民族に訪れ、2008年にフィリピンを拠点に活動する学生団体(FIWC)に所属。現地で橋やプレスクールの建設に携わる。マザーテレサの人生に衝撃を受け、将来途上国で働くことを決意。保育分野での専門性を高めるため休学し、アイルランド・ドイツで半年ずつ住み込みベビーシッターを経験。その後アフリカに渡りガーナの孤児院に滞在。現地の団体VPWA(Volunteer Pertnerships West for Africa)にてストリートチルドレンに絵本学習の場を提供する取り組み(street library project )に協力。復学後、幼稚園教諭一種免許状・保育士免許・特別支援学校教諭一種免許状取得。その後ドイツ語を学び、戦争や貧困で犠牲となった世界各国の子どもたちのいるドイツ国際平和村で1年間のインターン。「世界ウルルン滞在記2015夏の特別編」に出演。現在は子ども分野でのスペシャリストを目指し保育士として勤務。趣味は食べること、子どもと遊ぶこと。

 

 

グローバルマインドセット最終回はドイツ国際平和村にボランティアスタッフとして住み込みをしていた、前田春香さんにメンターとして来ていただきました。

 

ドイツ国際平和村って?

ドイツ国際平和村は、1967年7月6日、ドイツ市民の手によって紛争地域や危機に瀕した地域の子どもたちを助けるために設立されました。紛争や貧困の犠牲となったこの子どもたちは、今このときも、私たちの援助を待っています。(中略)
平和村の活動は、まず、子どもたちの治療をヨーロッパで行うことからはじまりました。そして、子どもたちが母国で治療できるようになることを目指し、今では多くのプロジェクトが危機的な状況にある様々な国で行われています。それでも医療ケアのためにヨーロッパまでやってこなければならない子どもはたくさんいます。また、子どもたちのヨーロッパでの治療、プロジェクトと並び、平和村の紹介を通して平和への関心を高める活動も行なっています。
この3つを柱として、ドイツ国際平和村は平和のための活動を続けています。

(さらに興味のある方はこちらから動画をどうぞ)

vimeo.com
(
ホームページより抜粋)

 

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マザーテレサに憧れていたんです。

そんな言葉で語り始めてくれました。

その言葉は、メンターである前田さんを体現しているかのようで、会を通じて前田さんを象徴する言葉のようでした。

 

東京都伊豆七島の新島出身の前田さん。幼少期は島で地元の支えとふれあいに囲まれながら過ごしました。大学入学後は数多くの海外を訪れました。第二夜のメンターであるあめと同じFIWCの所属でもあり、フィリピンに渡航したこともありました。

 

ドイツ国際平和村では、ボランティアスタッフとして住み込みで支援活動に従事し、現地のドイツ人インターン生とともに支援を受けている子供たちのサポートをしていました。その現場はケガや病気で苦しんでいる子供たちばかり。ときには目を覆いたくなるような、胸が張り裂けそうになるような、現実と向き合う必要がありました。

 

折しも滞在中に世界ウルルン滞在記の取材が入り、出演することに。
会の冒頭でこれらをシェアしてもらったおかげで、より具体的に彼女の体験を知ることができました。 

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世界ウルルン滞在記 2015 夏の特別編・ドイツ国際平和村再会スペシャル…東ちずる - YouTube

スマホはこちらから↓

YouTube

 

 この支援活動では、ドイツ人のインターン生と協働する必要がありました。
そこでメンターはこんな体験をしたといいます。

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その場に来ていたドイツ人の掃除の仕方がひどくって、私たちは終わるまで帰れないってやっているのに、彼らは時間になると途中でも止めちゃったりするんです。

 

ある日、日本人がいつもの通り清掃業務についていたときのこと。ドイツ人も同様に清掃をしていたものの、その仕上がりは自分たちが「清掃をした」と感じる水準になかったのだそうです。そのとき(あぁ、ドイツ人はこの程度のクオリティで終わってしまうのか、手を抜いている、全然掃除なんてしてないじゃない‥!)と感じてしまったそう。

その思いはグルグルと一人歩きします。

 

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(‥日本から離れて住み込みをしている日本人は「本気」で、実家が近いところにあるドイツ人は帰る場所があるから上手に切り替えができている。インターン生だから年齢も若いし、日本から参加しているわたしたちとは違うんだ。)

と。その状況から、少しだけネガティブな反応を感じました。
異なる価値観やバックグラウンドをもった人々と協働するときに邪魔してしまいがちな、「バイアス」です。
 

しかし、そんなメンターにあるときこんな変化が起きます。

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実は、職員の方と清掃業務に関する話をしていたときに私たちの意見が採用されたんです。
「行動」で示していたことが認められた瞬間でした。すると同時に、ドイツ人のみんなは日本人が苦手としていたドイツ語でのコミュニケーションを率先してやってくれているんだな、と見えてきたんです。

 

全く異なる環境下で他者と協働するとき、自分自身の価値観でしかその相手の出すアウトプットの質が見えてこないときがあります。

自身が信じる価値観に沿って行動し続けた結果、周囲から認められて全体にポジティブな影響を与えることができた。そして何より相手のことがより見え、自分たちではカバーできていないところを補ってくれているありがたさを感じることができたのだそうです。こうして、お互いの状況や得意不得意を知ったうえで役割分担を明確にすることができた。

それぞれができることや苦手なことがあってもいい。「傷ついた子供たちを少しでも助けてあげたい」という共通の想いが根っこの部分でつながっているからこそお互いに認め合えたし、信頼関係を築くことができた。

 

そんな、メンターの体験ならではのグローバルマインドセットに触れた瞬間でした。

 

 

マザーテレサのように、恵まれない人々の助けになりたい。そんな強い思いが彼女を突き動かした。そして自身が持っている価値観では少し理解できないような体験をしてもなお、自分の信じる行動をとり続けた。そしてその結果、全体に影響を及ぼして変化が起きた。こうした変化は自身の変化となって返ってきて、最初に理解できなかった相手の価値観や、自分が見えていなかっただけの良さに気がつけた。

あることにコミットして譲らないほどの想い(=マインド)が、行動し続ける結果を呼び、そして最終的には全体に前向きな影響を与え、多様性を乗り越えることができた、そんなひとつのグローバルマインドセットのあり方を考えさせられた夜になりました。

 

 

こうして最終夜も会話の途絶えることのない時間となりました。

 

 

すべての会を振り返って‥
~グローバルマインドセットを考える5つのチェックポイント~

今回の連続ひょうたん会議vol. 14-16を通じて、グローバルマインドセットについて学んだことをあえて一表にしてみました。

 

今回の学びを一般化してみるとそれは5つのチェックポイントとして浮かび上がるのでした。

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これらはあくまで、今回のセッションを通じて見えてきた“暫定”バージョンとします。
引き続き「僕らのグローバルマインドセット」を、皆さんと一緒に作り上げていけたら・・・そんな思いも込めて、こんなかたちでアウトプットしてみました。

 

・・・いかがだったでしょうか?

こうして学んだことを自分自身に少しあてはめてみて、気づきがあったり、ちょっと行動が変わったり、前向きな変化が起きる手助けになったら幸いです。

 

それが重要だけど緊急じゃないことを考える意味なんだと信じています。

 

【はじめましての方へ】ひょうたん会議ってなんだ?

hyo-tan.hatenablog.com

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 「楽しもう、ちょっとマジメな話」
重要度は高いけれど、緊急度が低くてつい後回しにしてしまう、誰もが抱える問題。
ひとりの教え手がいて進行する学びのスタイルではなく、教えを受けたい(課題を抱えた)参加者による双方向な学習機会を提供します。

その間を取り持つのが我々ファシリテーター。論理的な思考を目指しながら進行と質問を通じてメンターそしてプロテジェの両者の間に立ち、「情報収集・整理/ 堀り下げ/ 原点回帰」をしながら進めていきます。
 
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