Notes: 若手ビジネスパーソンは何故、漫画『キングダム』を読む必要があるのか?
この記事にたどりついた、ということは漫画「キングダム」についてはその評判を耳にしていることかと思います。この記事では未だキングダムを1ページも読んだことのない方に向けて、その魅力を若手ビジネスパーソンが持つべき気づきに乗せて紹介したいと思います。(・・みんなに読ませてキングダムだけを話題に語る飲み会がしたいわけでは、ない。)
*もしかしたら少しネタバレもあるかもしれませんのでご承知おきください
キングダムは、中国 秦の始皇帝 政(せい)が中華を初めて統一するお話。
はじまりは「信(しん)」と「漂(ひょう)」という二人の子どもが「いつか天下の大将軍になるんだ!」と夢見て修行に励むところからです。
時は紀元前、春秋戦国時代。いまだ一度も統一されたことのない中国大陸は500年もの動乱期。戦国七雄の一つ「秦国」の身寄りのない少年・信と漂は、今は 奴隷のような身なれど、いつか武功をあげて天下一の将軍になることを夢見て修行に励む。そんな二人が偶然、秦国の大臣に出会ったことから運命の歯車が動き 出す!(あらすじより引用)
その後、秦の王 政(せい)と出会い、ともに天下を統一していくストーリーの中にさまざまなドラマと我々ビジネスパーソンがハッとさせられる気づきがあります。以下にその理由を紹介したいと思います。
0.キングダムは若手ビジネスパーソンが特に持つべき「緊急度は高くないが、重要度が高い、キャリアにおいて大切にしたいこと」を教えてくれる
わたしは集英社の回し者でもなければ、ステマでもありません。
なぜ、今回このキングダムを取り上げるかというと、「キングダムが人生における重要だけど緊急じゃないから放っておいてしまう、特に若手ビジネスパーソンとして大切にしたいキャリアに関する課題について気づきを与えてくれるから」です。
1.キングダムは明確なビジョンを持つことの大切さを教えてくれる
信(と漂)は下民(要は国に土地も持っていない、身寄りのないとっても貧しい身分)のあがりです。彼らは自分たちの置かれている相対的な環境や状況なんて関係なく「いつか天下の大将軍になる」という夢(=ビジョン)を描いていました。
信
(「夢(=ビジョン)は天下の大将軍になること」といい続ける信)
子どもだろうと臆することなく、「俺は天下の大将軍になる」といい続けていました。当然相手にされないこともあれば、バカにされることもありました。
それでも彼は自分の信念を曲げず、それに忠実に生きています。
2.キングダムはビジョンに沿った、メンターとの出会いの素晴らしさを教えてくれる
そんな信はある日、ある人物に出会います。その名前は王騎(おうき)。
天下の大将軍です。
信はある日を境にこの王騎から助言を受けたり、稽古をつけて(=メンタリングして)もらうようになります。
王騎
(王騎との出会いで信の天下一の大将軍になる夢(=ビジョン)もより明確で具体的になっていきます)
大将軍になりたいと言いましたね、童(わらべ)信。
ゆっくり目を開き、目にするモノをよォく見てみなさい。
敵の群れを。敵の顔を。そして味方の顔を。天を地を。
これが「将軍」の見る景色です。
この出会いを通じて、大将軍と言われる人物がどんなマインドセットを持っていて、どのように立ち振る舞うかを理解していきます。
3.キングダムは切磋琢磨するライバルの存在が自分を強くすることを教えてくれる
信が徐々に自身の頭角を現してくると、同世代のライバルがいることに気がつきます。それが王賁(おうほん)と蒙恬(もうてん)です。
王賁(おうほん)は言わば超エリート。家柄もさることながら持ち合わせるプライドも天下一品です。ドラゴンボールで例えるならベジータ的な存在です。
蒙恬(もうてん)は祖父に将軍を持ち、父も実力者。由緒正しき家系でありながら柔和な存在感を持つ人物。
一方、信は下民の上がりで言わば雑草魂、自分のセンスとガッツで力をつけてきてそれまで周りのことなど気にしたことがありません。
王賁(おうほん)
(超エリートで誇り高き実力者)
蒙恬(もうてん)
(有名な実力者を祖父・父に持ち、自身もその才能を発揮して活躍する)
それぞれ育った環境も、持っているスタイルも違います。ところが皆同様に「将軍になる」というビジョンを持っています。
それぞれの異なる個性と才能に触れ合うことによって切磋琢磨し、自身のチカラに変えていくのです。
4.キングダムは個人で結果を出すこととチームで結果を出すことの違いを教えてくれる
信はある日、壁にぶち当たります。それは、個人で結果を出し続けて来たのちに、大きなチームを任されたときのこと。
これまでの自分のスタイルでは戦局全体を見渡すことが出来ずに、連敗を喫してしまうのです。その姿はまるで、トップセールスを現場で張ってきた優秀な営業マンが、担当エリアが拡大して後輩を持つようになって、思うように結果が出ない姿に似ています。
そこでキーとなってくるのが、昌平君を中心とした軍師たちです。
彼らは言わば戦略家で、どのようにして戦えば「勝利」という結果をもたらすかを考えチームを大きな方向性とともに導きます。盤上で駒を動かしつつ相手の出方や地形などの情報とともに戦局を描いていきます。
昌平君
(現場でも戦いを、全体観を持ってサポートする軍師)
こうして戦略と戦術の違いを実体験を通じて理解した信は、戦略のあるチームに舵取りをしていきます。
5.キングダムはリーダーが持つべき「胆力」と「大局観」の大切さを教えてくれる
キングダムでは、数多くの将軍たちが現れます。その戦局づくりや指揮の執りかたはまさにリーダーが方向性を示して結果を出す様です。このとき、リーダーが下す決断を通じて、その「胆力(=度胸)」と「大局観(=全体を見渡して判断すること)」を感じ取ることができます。
最後に王騎のエピソードです。
王騎は大将軍に上り詰めるそれまでの間に、幾度となく戦いを経験してきました。将軍になってリーダーシップを発揮したときでも、そのたびに仲間の痛み・死に向き合ってそれを背負って生きてきました。
王騎
(仲間と苦楽を共にしてその武を高めた王騎)
あるとき、武神と証する龐煖(ほうけん)との因縁の対決をします。龐煖は山篭りによって尋常でない特訓を経て、武力では右に出るものがいないと言われるほどの強者です。
龐煖(ほうけん)
(一人、山に篭って人並みはずれた修行を積み、武を高めた龐煖)
そんなとき王騎の言葉がチームを背負って立つリーダーの力強さを感じさせます。
十三の頃より数え切れぬほどの戦場を駆け回り、
数万の戦友を失い数十万の敵を葬ってきました。
命の火と共に消えた彼らの思いが、全てこの双肩に重く宿っているのですよ
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いかがでしたでしょうか?
若手ビジネスパーソンなら誰しもがいずれかを感じたことがあるようなことではないでしょうか。
入社したときに描いていたビジョン、
心を動かしてくれたあのひとの言葉、
同期入社のアイツや大学/ 高校の同期、
徐々に仕事を覚えて個人の仕事からチームの仕事をして感じる難しさ、
どんなリーダーになりたいかな、とぼんやり考え始めたこと、
そんな思いを片隅に、読み進めていくともう止まりません。
よかったらぜひ手にとって、キャリアにおいて大切にしたい、「重要だけど、日々の仕事とは直結しない緊急でないから放っておいてしまうこと」について考えてみませんか?
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「楽しもう、ちょっとマジメな話」
重要度は高いけれど、緊急度が低くてつい後回しにしてしまう、誰もが抱える問題。
ひとりの教え手がいて進行する学びのスタイルではなく、教えを受けたい(課題を抱えた)参加者による双方向な学習機会を提供します。
その間を取り持つのが我々ファシリテーター。論理的な思考を目指しながら進行と質問を通じてメンターそしてプロテジェの両者の間に立ち、「情報収集・整理/ 堀り下げ/ 原点回帰」をしながら進めていきます。
メンターに対して、過去の経験や判断の基準となる価値観を聞き出したり、自分たち自身の価値観を引き合いに出しながらより多面的な学びの時間を目指します。
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参考)
*本当はもっと紹介したいところです。・・がそれはまた機会があったときに。
(とっても素敵なキャラクターの面々とそれぞれ充実したストーリーもハマるポイント。)